【CAインタビュー】私のようになるな。皆さんの先を照らす灯台になりたい。

なりゆきで仕事を決めたことに後悔

まずはファーストキャリアについて教えて下さい。

大学卒業後、映像制作のAD（アシスタントディレクター）からキャリアをスタートしました。今でこそ偉そうに（笑）、「就職は人生の岐路。しっかり考えないと」と言っていますが、当時は先のことは考えず、なりゆきで仕事を決めました。先輩から誘われて二つ返事で就職先を決めてしまうくらい、何も考えていませんでした。

当時は仕事ができない上に敬語も気遣いもできず生意気だったので、制作AD時代に特にシゴいていただきました。

自ら招いた訳ですが今の常識からするとブラ○クな環境でした。失敗の連続と仕事が遅いことが原因で残業は月1××時間、会社の床に連泊しました。長時間勤務、失敗、怒られる、残業、失敗、怒られるの負のスパイラルで身も心も打ちのめされました。

それで根拠のない自信はポッキーのようにポキポキに折られました（笑）。そこから皆様に貢献できるようにと、人生の修行が始まったという感じです。今では感謝しかありません。

30歳を過ぎてやっと見つけた適職

今の鈴木さんからはあまりイメージが沸かないです。その後はどのようなキャリアを歩んだのですか？

そうですか？とにかく当時はダメダメでしたね。その後なんとかADの仕事はできるようになっていきましたが、映画監督を目指して仕事をしている方々のそばで、将来的にやりたいこととは何か違うと感じ、区切りが付いたタイミングで退職しました。

それから20代中盤になって、初めてちゃんとした就職活動を行いましたが、その時も別業界で、スーツで仕事をしたい、ということしか考えていませんでした。

別業界でスーツを着る仕事（笑）転職の軸がそこにあったのですね。

はい。軸とは言えないですけどね。それで運良く医療メーカーに転職しました。そこで色々な仕事とここでも沢山の失敗をし（笑）、また採用業務にも携わるようになりました。仕事は面白く成長させていただきましたが、将来については変わらず明確な答えは見つかりませんでした。

そこでも激務が続き30代になり疲労が溜まり、また先が不透明なまま、退職しました。

それで年甲斐もなく自分探しの旅をしてみたり（笑）、色々なことをしてみましたが、それでも見つかりませんでした。

ではどうやって見つけたのでしょうか。

その後IT企業で再び人事採用をすることになります。やり甲斐はありつつも、またまた終電まで仕事と失敗をしていまして、その時に将来を見つめるキッカケが2つありました。

1つは新卒採用です。前職では中途採用がメインで、今回は新卒がメインでした。学生達は意外にも私の様に迷っている方が多く、道を見つける相談に乗り感謝されました。それはとても嬉しい経験でした。採用業務と並行して、関係のない学生の対応も沢山しました（笑）。

もう1つは、自分のビジョン・ミッションを策定したことです。

ビジョンの策定で将来が明確に

ビジョン・ミッションですか？

そうです。当時自社HPのリニューアル業務も担当していて、様々な企業のビジョン・ミッションについても調べていました。その中で、策定し浸透している企業ってありますよね。Googleさんをはじめビジョンドリブンの企業はブレがなく強い。将来に迷うことなくやるべき仕事も明確。

対して、ずっと将来（ビジョン）とやりたいこと（ミッション）が見えていない自分がいて。それで「自分を企業に見立てて」考えてみることにしました。ずっと考え続け、半年くらいかかりましたが、自分なりのビジョン・ミッションを策定できたんです。

そのビジョン・ミッションは一言でいうと、『得意を活かして道に迷っている人に貢献し、人生を楽しむ』という感じです。

迷っている方の相談に乗るのは得意、感謝されるし貢献できている。そういう人生は楽しいよなぁと、やっと30半ばになって腹落ちしたんです。それでキャリアコンサルタントの資格も取り、その方の将来に繋がる企業を提案できる、現職に就いたという流れです。

自分が10年以上悩み続けた将来と在り方について、もしも当時、先を照らしてくれる灯台のような人がいて、相談できたら、少しはマシな人生になっていただろう。でもこの失敗だらけの人生にも意味があるのなら、それは私と出会う方が、在りたい姿に向けて歩みを進めてもらうことだと思います。

それで「私のようになるな」と、言っているんですね。

はい。本当に皆さんには私を反面教師にして、同じ轍を踏まないでほしいです。ご縁のある方には、将来を見据えた企業選びや、今の現場でどのように仕事に取り組むことがキャリアアップに繋がるか、精一杯支援したいと思っています。